静まり返るインディアナ波乱の測定会場で、計測ラインを二度見したスカウト陣からどよめきが漏れました。2015年2月23日、全米のトップカレッジアスリートが集結する過酷な体力テストの祭典「NFLスカウティング・コンバイン」において、歴史破りの跳躍が生まれました。記録樹立者の名はバイロン・ジョーンズ(Byron Jones)。コネチカット大学出身のディフェンシブバック(DB)です。
彼が跳躍台から宙へ浮き上がり、芝生に着地して叩き出した驚愕の数値は「12フィート3インチ」。メートル法に換算すると3m73cm(3.73メートル)におよびます。これまでのNFLコンバイン最高記録(ジェイミー・コリンズの約3m53cm)を20センチ近く塗り替えただけでなく、ノルウェーのアルネ・トヴェイトが1968年に樹立した歴史的指標(3m71cm)をも更新し、正式に立ち幅跳びギネス世界記録として認定されました。
現地報道の特番インタビューで、現場に居合わせたNFL関係者は「重力を一切感じさせない、空中を浮遊しているかのような着地だった」と振り返っています。ジョーンズ自身も当時のメディア取材に対し、「助走なしでどこまで遠くへ体を運べるかは、純粋な瞬発力と運動連動の勝負。限界を決めずに身体のバネを信じた結果だ」と淡々と語っていました。ジョーンズはこの驚異的なフィジカルデータが決定打となり、2015年ドラフト1巡目(全体27位)でダラス・カウボーイズに見事指名され、のちにプロボウルにも選出されるトップスターへと駆け上がることになります。