ホテルの宴会場前に敷き詰められたピリついた空気。私服捜査官が望遠レンズを構え、車から降り立つ人物を一人ずつ記録していく。会場内では、伝統的な三三九度の盃事が執り行われ、組幹部や提携組織の代表がズラリと顔を揃える。新郎新婦の門出を祝う場でありながら、本質は同盟関係の再確認であり、威信をかけた「政治の場」に他ならない。
参列者の顔ぶれは豪華を極めるが、そこには常に警視庁の厳しい警戒網が張り巡らされている。宴が始まれば、警備担当の組員が周囲を固め、外部からの盗聴や襲撃に備える。一般の結婚式のような和やかな笑顔の裏には、いつ何が起きてもおかしくないという緊張感が終始漂っているのだ。