フジテレビ在籍当時の松尾翠は、『めざましテレビ』の情報キャスターやリポーターとして朝の顔を務め、視聴者からの好感度も極めて高かった。そのため、2013年秋の退社発表時には「なぜ今、看板アナウンサーが退社するのか」と驚きの声が広がった。
ネット上では様々な憶測が飛び交ったが、実際の退社理由は極めて明確だった。夫である福永祐一の騎手としての活動本拠地は滋賀県の栗東トレーニングセンターおよび関西圏の競馬場であるため、東京のキー局勤務を継続することは物理的に困難であった。松尾翠は迷うことなく、家族としての生活基盤を関西に一本化する道を選択した。
当時、多くの女性アナウンサーが東京を拠点としたフリー転身を選ぶ中で、地方都市である京都へ移住し、自らの生活リズムを再構築した決断は、彼女の確固たる価値観を示している。華やかなテレビの世界で消費されることなく、自らの意志で生活の主導権を握ったこの決断こそが、現在の息の長い活動の礎となっている。