甲子園での試合当日の福山市内は、熱狂の渦に包まれた。JR福山駅前の商業施設や広場に設置された大型ビジョンには、試合開始の数時間前からユニフォーム姿の市民や仕事帰りの会社員が続々と集結。人波は瞬く間に広がり、通行人が足を止めて巨大スクリーンを見上げる事態となった。
「福山から甲子園へ行くなんて、生きているうちにこんな瞬間が見られるとは思わなかった」。涙をぬぐいながら語ったのは、地元の70代男性だ。得点が入るたびにメガホンが打ち鳴らされ、駅前アーケードには福山名物のばら祭りを思わせる華やかで熱い熱気が充満した。スポーツの力が、都市全体の連帯感をここまで高めた例は、近年の福山市の歴史においても極めて珍しい。