忍野八海はその名の通り、国の天然記念物であり富士山世界文化遺産の構成資産に登録された8つの湧水池(出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池)から成り立っています。かつて富士山信仰の巡礼者たちが身を清めた神聖な霊場であり、それぞれの池が独自の表情を持っています。
中心的存在である湧池(わくいけ)は、毎秒約2.2立方メートルという豊かな湧水量を誇り、八海の中でも特に賑わいを見せるスポットです。水深は約4メートルにおよび、透き通った水底の溶岩洞窟からは絶え間なく清冽な水が噴き出しています。悠々と泳ぐ魚たちの影が水底にくっきりと落ちる様子は、まるで宙に浮いているかのような錯覚を覚えるほどです。
すべての池をスムーズに巡るなら、次のモデルコースの順番を意識すると無駄なく散策できます。
まずは観光の中心となる「湧池」からスタートし、隣接する「濁池」、天気が良ければ逆さ富士が映る「鏡池」、菖蒲が生い茂る「菖蒲池」へと進みます。続いて静寂に包まれた「銚子池」、小さくも深い藍色をたたえる「お釜池」、そして資料館の敷地内にある神秘の「底抜池(そこなしいけ)」を巡りましょう。八海の中で最も面積が広く、唯一少し離れた場所(徒歩約15分)にある「出口池」は、静けさの中で落ち着いて鑑賞したいラストに訪れるのが最適です。