作業全体の成否を握るのが、最初の鬼皮剥きと渋皮の筋取りです。硬い鬼皮を力任せに剥こうとすると怪我の危険があるだけでなく、渋皮を傷つけるリスクが跳ね上がります。
手肌への負担を抑えつつ安全に処理できる栗の鬼皮の簡単な剥き方として推奨されるのが、「70℃〜80℃の熱湯への浸漬法」です。熱湯に栗を20分〜30分ほど浸けておくと、鬼皮の繊維が水分を含んで柔らかくなり、指の力だけでもめくれるほど扱いやすくなります。
剥く際は、栗の底部(ざらざらとした座と呼ばれる部分)に浅く包丁の刃を入れ、先端の尖った方に向かって引っ張り上げるようにめくっていきます。決して渋皮の奥まで刃を入れないのが鉄則です。
鬼皮を剥き終えた後の栗の渋皮煮の筋取りのコツは、アク抜き用の茹で上げを行った温かい状態で行うことです。指の腹や竹串の背を使い、渋皮の表面を走る太い黒い筋やケバケバとした繊維を、優しくなでるように取り除きます。爪を立てたり金属製の鋭利な道具を使ったりすると傷の原因になるため、指先の摩擦を利用してぬるま湯の中で丁寧に撫で洗いするのが確実です。