かつてハンバーグ店といえば、家族連れで賑わうテーブル席中心のファミレスか、油煙が立ち込める大衆食堂の二者択一だった。しかし現在の流行を形作っているのは、カウンター中心の洗練された空間デザインだ。まるで高級寿司店や天ぷら割烹のように、目の前の鉄板や炭火床で自分の肉が育っていく過程を鑑賞できる構造になっている。
この演出は、1人で食事を楽しむ「おひとり様」客層から絶大な支持を得ている。視覚と嗅覚が限界まで刺激された状態で提供される出来立てのハンバーグ。炊きたてのご飯の上にポンと乗せられ、自家製の薬味や卵黄を絡めて食べるスタイルは、日本独自のグルメ体験として定着した。