かつて「木造建築」といえば、低層の住宅や神社仏閣に限られるというのが建築界の常識だった。しかし、直交統合板(CLT)をはじめとする最先端の構造用木材技術の飛躍的進化が、その固定観念を過去のものにした。2026年の現在、都心部では10階建てを超える中高層木造オフィスや商業ビルが次々と竣工し、街の景観を劇的に変えている。
木造高層建築がもたらすメリットは、見た目の美しさだけに留まらない。鉄骨やコンクリートの構造物と比較して建物自体の重量が大幅に軽量化されるため、耐震設計における構造的負荷を著しく軽減できる。さらに、木材は成長過程で大量の二酸化炭素を吸収・固定しているため、建築現場そのものが「炭素の貯蔵庫」として機能するという画期的な側面を持つ。
「都市に木を植えるのではなく、都市そのものを木で建てる」。海外の建築メディアも熱視線を送る日本のこのプロジェクト群は、まさに都市を「第2の森林」へと変貌させる壮大な実験だと言えるだろう。