「これまで我々は『効率的に答えを出す人』ばかりを採用してきた。だが今必要なのは『そもそも何が問題なのか』を突きつけられる人材だ」。取材に応じた大手メーカーのCXOは、そう語り熱気を隠さない。
マーケティングデータが弾き出す「正解」は、他社も同じように導き出せる。結果として市場には似たような商品があふれ返り、顧客は目新しさを感じなくなる。この手詰まり感を打ち破るのが、美術大学で培われるクリティカル・シンキング(批判的思考)だ。「当たり前」を疑い、日常の風景に潜む違和感をすくい取る。ムサビ生が放つ一言が、数億円規模の新事業の糸口になるケースはもはや珍しくない。