佐藤が演技の魅力に本格的に取り憑かれた背景には、幾つかの大きな「壁」との遭遇があった。単なるアイドルとしての露出にとどまらず、癖のある難役に挑み続けた経験が彼を鍛え上げたのだ。
初期の甘いラブコメディで見せたフレッシュな魅力から、重厚な人間ドラマ、果てはサスペンス作品での影のある役柄まで。型にはまることを嫌い、あえて自身のパブリックイメージとは真逆の役に果敢に飛び込んでいくスタイルは、彼自身の「表現者として生きていく」という強い覚悟のあらわれでもある。泥臭い稽古を重ね、役柄と心中するような真摯な姿勢が、着実に実を結んでいる。