ブラジルでの挫折後、日本協会が求めたのは「デュエル(決闘)」と「縦への速さ」だった。バヒド・ハリルホジッチは、従来のパスサッカーを否定するかのようなダイレクトなスタイルを叩き込もうとした。しかし、選手とのコミュニケーション不全や戦術的摩擦から、ワールドカップ開幕直前の2018年4月に電撃解任される。
この最大の危機を救ったのが、技術委員長から急遽スライド登板した西野朗だ。わずか2ヶ月の準備期間でチームをまとめ上げ、ロシア大会ではベルギーをあと一歩のところまで追い詰めるベスト16進出を果たす。「日本らしい協調性」と「ベテランの経験値」を信じ抜いた西野の手腕は、短期決戦におけるマネジメントの極意を示していた。