基本ルールをおさらいしておこう。オフェンス側が一度フロントコート(攻める側の半面)にボールを運んだ後、バックコート(守る側の半面)にボールを戻してはならない。これがバックパスのルールだ。問題は、「いつフロントコートに入ったとみなされるか」である。ボールと両足の3点すべてがラインを越えなければ、フロントコートに入ったとは認定されない。このコンマ数秒のタイムラグが、激しいプレッシャーの中で牙をむく。
「頭では分かっていても、体が反応してしまう」。あるB1クラブのベテランガードは匿名を条件にそう漏らした。相手ディフェンスのプレッシャーが強くなるほど、バックステップを踏むスペースは狭くなる。ほんの数センチのライン踏み越しが、即座に相手ボールへと変わる過酷な現実がそこにある。