薬物犯罪の根絶に向けて熾烈な捜査を続けているのが、関東信越厚生局麻薬取締部をはじめとする麻薬取締官(通称マトリ)の組織だ。近年、彼らが追う密売ルートは、路上の密売人から通信の暗号化されたダークウェブやマッチングアプリへと完全にシフトしている。
取締当局の捜査幹部は、「性的な欲望を煽って薬物を買わせる手法が狡猾化している」と語る。マッチングアプリで「一緒に飛べる相手」「特別な体験」といった隠語を使い、ターゲットを警戒心の薄い若者や女性に絞ってアプローチをかける密売人が後を絶たない。
麻薬取締部はサイバー捜査隊を増員し、密売アカウントの特定や通信履歴の解析を進め、供給網の元を断つ摘発を展開している。しかし、一人が捕まっても新たな密売人が即座に現れるモグラ叩きの様相を呈しており、供給側の撲滅と同時に需要側の教育が急務となっている。