1969年から2009年まで40年にわたりTBSテレビ系列で放送された「花王 愛の劇場」は、数々の名作を世に送り出してきた伝説の放送枠である。その中でも、本作は屈指の認知度と支持を誇るホームドラマとして歴史に名を刻んだ。単なる娯楽番組にとどまらず、子育ての苦労や家族の葛藤、生命の尊さを正面から描く姿勢が、多くの視聴者の共感を呼んだのだ。
昼ドラマといえばドロドロとした愛憎劇が主流だった時代において、爽やかな感動と温もりを提供するスタイルは極めて新鮮だった。家庭の食卓や学校生活で起きる身近な出来事を丁寧に汲み取る脚本と、それをリアルに体現するキャスト陣の熱演。時代が平成へと移り変わる過渡期において、本作は日本中の茶の間に心の拠り所を提供し続けた。