公衆衛生の現場において環境保健学を研究する大西一成 (公衆衛生学研究者) 氏は、こうした安易な再利用に対して以前から強い警鐘を鳴らしてきた。同氏らの研究によると、マスクに対する手洗い擦り合わせやアルコールスプレーの噴霧といった再利用・消毒洗浄の試みは、静電気の失効だけでなく、不織布の繊維構造そのものを不可逆的に破壊する。
洗ったことで繊維がヨレたり隙間が広がったりすると、浮遊微粒子は抵抗なく隙間をすり抜ける。さらに、装着時のフィット感も損なわれ、隙間漏れのリスクが倍増するのだ。見た目の清潔感に騙され、性能が落ちた状態のマスクを信じて外出することは、無防備な状態で感染リスクに身を晒すことに他ならない。