裁判では有罪判決が下されたものの、ネット上や一部の言論空間では今なお「国策捜査」「謀略説」が根強く語り継がれています。その根拠として挙げられるのが、事件直前における植草氏の激烈な政治・経済批判です。当時、小泉純一郎内閣が進めていた「郵政民営化」や、竹中平蔵経済財政担当相が主導する不良債権処理政策、りそな銀行への公的資金注入の不透明性を、植草氏はテレビ番組や著作で名指しで激しく批判していました。
りそな銀行の国有化を巡るインサイダー疑惑や、外資系ファンドへの利益誘導を告発しようとしていた矢先の逮捕劇だったため、「政権の中枢や米国金融資本にとって都合の悪い論客を社会的に抹殺するための罠だったのではないか」という見方が浮上したのです。逮捕時の目撃証言の不自然さや証拠採用の過程に対する疑問、警察発表を鵜呑みにした過熱報道のあり方など、司法とマスコミの構造的癒着を指摘する声は、事件から年月が経過した現在でも口コミやSNS上で議論され続けています。