楽曲のメガヒットを受け、松竹株式会社が即座に動いた。同名タイトルで製作された映画『アンコ椿は恋の花』は、1965年春に劇場公開されるや否や、全国の映画館を満員札止めにした。いわゆる「歌謡映画」と呼ばれるジャンルが最盛期を迎えていた時代である。
スクリーンの中で躍動する彼女自身の姿と、伊豆大島の美しい情景。音楽と映像が有機的に結びつき、楽曲の世界観を何倍にも増幅させていく手法は、現代のミュージックビデオやプロモーション戦略の原点と言える。劇場を出た観客がレコード店へと直行する循環が生まれ、歌謡曲と映画の幸福な蜜月がここに完成した。