映画監督・蜷川実花との鮮烈な化学反応から生まれた『ヘルタースケルター』は、彼女のキャリアにおいて最大の転換点だった。全身整形のトップモデル・りりこ役を演じるにあたり、画面に漂う過剰なまでの色彩と心理サスペンスの緊張感の中で、彼女は自らの身体を惜しげもなく晒した。歪んだ美意識と孤独に苛まれるヒロインの葛藤を、全身全霊で体現してみせたのだ。
撮影現場での彼女は、まさに憑依型女優そのものだったという。監督の要求する過激な美学に対し、いっさいの躊躇を見せずにカメラの前に立った。肉体を露わにすること自体が目的ではなく、崩壊していく人間の美しさと醜さを表現するための不可欠な要素だったのだ。この作品によって、彼女は単なるアイドル女優の殻を完全に突き破ってみせた。