ザトーを操る上で最大の障壁であり、同時に最大の魅力でもあるのが「ボタン離し入力(ネガティブエッジ)」だ。本体の行動を通常入力で制御しながら、ボタンを押し込んだままエディに次の行動を予約し、指を離すタイミングで影を解き放つ。二つの脳を同時に稼働させるかのようなこの指先の手術は、初心者が最初に直面する巨大な壁となる。
だが、その難度こそが格闘ゲーマーの本能を刺激する。本体がガードモーションを取っている間にエディが背後から敵を叩き、相手の無敵技の割り込みをすり抜けてカウンターヒットを奪う快感。熟練者が繰り出す連携は、もはや対戦相手にとって一人と戦っている感覚ではない。画面全体を支配する影の網の目に捕らえられ、どこから飛んでくるか分からない打撃に意識をすり潰されていくのだ。