「夫であり、最重要商品であり、最大のライバル」。太田光代と太田光の関係性を一言で表すのは容易ではない。テレビ番組やエッセイで語られる二人のやり取りは、時に恐妻家ネタとして笑いを誘うが、その根底にあるのはプロフェッショナルとしての深い信頼関係だ。
太田光という天才的でありながら暴走しがちな才能を、彼女はどのようにしてコントロールし、社会と接合させてきたのか。単なる放任でも抑圧でもない。彼の尖った感性を一切殺すことなく、地上波の生放送や大型報道番組の司会にまで押し上げた手腕は、まさにマネジメントの極致と言える。家庭内での力関係を軽妙に明かしつつも、ビジネスの現場では絶対的な防波堤として夫を守り抜く姿勢に、多くの業界関係者が敬意を払っている。