昭和21年に実施された臨時財産税は、当時の富裕層から容赦なく莫大な財産を没収した。旧宮家や大名華族の多くが、広大な邸宅や山林、先祖代々の美術品を物納あるいは安値で売却せざるを得ず、一気に没落の憂き目に遭ったのは事実である。しかし、この壊滅的な打撃を前にしながらも、すべての家が倒れたわけではなかった。
土壇場で生き残った家々に共通していたのは、早い段階での「資産の流動化」と「実業への傾倒」だ。単に不動産を後大事に抱え込み続けるのではなく、株券や債券、あるいは社団法人や各種財団を通じた非課税スキームへの組み換えを即座に決断した一族が、その後の高度経済成長の波に乗り資産を再膨張させた。