羽生を結びつけているもう一つの絶対的な軸が、故郷・宮城への愛と東日本大震災への鎮魂の思いだ。地元宮城のセキスイハイムスーパーアリーナで継続して開催されている『羽生結弦 notte stellata』は、彼にとってキャリアの原点を再確認する場であり、生きる意味そのものとも言える。
かつてアマチュア時代に身を置いた日本スケート連盟の枠組みを離れ、また長年彼をサポートしたANAホールディングスとの契約満了を経て完全なプロスケーターとして独立した今、彼の背負う責任はすべて個人の肩にかかっている。故郷を照らす星になろうとするその強い使命感は、私的な幸福を求める欲望を遥かに凌駕する原動力となっている。