日本国籍を有し、満18歳以上であっても、無条件で全員が有権者であり続けられるわけではありません。法秩序の維持や選挙の公正性を担保するため、公職選挙法における欠格事由に該当した場合は、選挙権そのものが一時的に停止または剥奪されます。
具体的には、公職選挙法第11条などにより、主に以下のようなケースで選挙権および被選挙権が停止されます。
1つ目は、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなるまでの者です。刑務所で服役中である受刑者などがこれに該当します。ただし、刑の執行猶予期間中にある者については、2013年の法改正等により原則として選挙権が認められる運用となっています。
2つ目は、買収や供応などの選挙犯罪、あるいは政治資金規正法違反を犯し、裁判所から公民権停止の判決を受けた者です。停止期間中は有権者としての資格を失い、選挙人名簿に登録されている場合でも抹消または表示が停止されます。
かつては成年被後見人(重度の認知症や知的障害等により判断能力を欠くとして家庭裁判所の審判を受けた人)の選挙権が一律に剥奪されていましたが、2013年の法改正によりこの規定は撤廃されました。現在では成年被後見人であっても、補助者等の支援を受けながら自らの意思で投票することが認められています。