社内の取締役や取引先の役員が勇退を迎える際、周囲のビジネスパーソンには失礼のないスマートな対応が求められます。実務で役立つマナーと文例をまとめました。
■ 役員勇退時の祝いメッセージ例文(取引先・社内共通)
勇退される方へ送るメッセージでは、長年の功績に対する労いと感謝、そして今後の健康と活躍を祈る言葉を伝えます。「ご苦労様でした」は目上に対して失礼になるため、「心より感謝申し上げます」「敬意を表します」を用います。
【メッセージ文例】
「○○様、このたびのご勇退にあたり、長年にわたる多大なるご功績に深く敬意を表しますとともに、温かいご指導を賜りましたことを心より御礼申し上げます。これまでのご尽力に深く感謝いたしますとともに、○○様の今後のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
■ 勇退挨拶の例文(自身が役員としてスピーチする場合)
退任する立場としてのスピーチでは、「勇退」という自己表現は避けつつ、支えてくれた周囲への謝意と次期体制への激励を盛り込みます。
【挨拶文例】
「私儀、今期をもちまして代表取締役社長の職を退任することとなりました。在任中は多大なるご支援とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。激動の時代ではございますが、頼もしい後進たちが新たなステージを切り拓いてくれるものと確信しております。今後とも新体制に対しまして、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。」
■ 勇退慰労金(役員退職慰労金)の相場と算定基準
上場企業を中心に廃止の動きも進んでいますが、現在でも多くの企業で勇退する役員に対して「役員退職慰労金」が支給されます。一般的な算定式は以下の通りです。
退職慰労金 = 最終月額報酬 × 役員在任年数 × 役職ごとの功績倍率
功績倍率は社長で2.0〜3.0程度、専務・常務で1.5〜2.0程度、平取締役で1.0〜1.5程度が一般的な相場とされています。会社の業績向上に卓越した貢献があった場合には、株主総会の決議を経て「特別功労加算金」が上乗せされることもあります。