本作の制作を担った東映アニメーションと、原作の発行元である集英社にとっても、このプロジェクトは極めて挑戦的な試みであった。長年愛されてきたモンスターIPの映画化において、旧来のファン層を満足させる最も安全な道はオリジナルキャストの再集結だったはずだ。
しかし、制作陣は安易なノスタルジーに逃げず、最先端の3DCG技術と手描きアニメーションの融合という世界的にも類を見ないビジュアル表現に挑んだ。その視覚的イノベーションに完璧に符合する音響世界を創り出すためには、過去の成功体験に縛られない全編にわたる刷新が不可欠だった。集英社と東映アニメーションが井上監督のクリエイティブな執念を全面的に支持したことで、本作は単なる思い出の再生産ではなく、時代を超越する映画作品へと昇華された。