「都心での慌ただしい生活から離れ、ここでは波の音を聴きながら仕事ができる」。都内のIT企業から松崎町へ拠点を移した30代のウェブデザイナーはそう語る。古民家をリノベーションしたサテライトオフィスには、Wi-Fiと最新設備が整い、窓の外には静かな里山と海が広がる。
町が推進するお試し移住制度や、地元の空き家バンク事業の柔軟な対応も功を奏している。単に人を呼び込むだけでなく、新住民が地域の祭りの準備や清掃活動に自然と参加できる温かなコミュニティ形成がなされている点が大きい。移住者と地元の古参住民が酒を酌み交わし、まちづくりの議論を交わす光景は、今や松崎町の日常風景となった。