アート界の寵児・村上隆が初めて監督・原案を務めた『めめめのくらげ』、そして世界市場を意識して展開される『クラゲ頭』プロジェクト。その根底に流れるのは、圧倒的なビジュアルのインパクトと、子供たちの繊細な内心世界をリンクさせた壮大なSFファンタジーの物語だ。
カイカイキキのスタジオ内で幾重にも練り上げられたキャラクターデザインは、日本の伝統的な絵画技法「オタク・サブカルチャー」の文脈を融合させた重厚なもの。主人公の少年が目撃する異形の生命体たちは、不気味でありながらもどこか愛くるしく、見る者の潜在意識を直接揺さぶる。アート作品が持つ批評性と、ハリウッド的なエンターテインメントの疾走感を一挙に凝縮させた全貌は、発表から年月を経た今なお古びるどころか、増々その異彩を放っている。