宮崎県北部(延岡市、日向市、門川町、美郷町、諸塚村、椎葉村、高千穂町、日ノ影町)において、常設映画館が完全にゼロになった影響は甚大です。SNSや地元ネット掲示板に投稿されている市民の生の声からは、単なる娯楽施設の消失にとどまらない、地方都市特有の切実な文化格差が浮き彫りになっています。
地元住民の投稿を丹念に検証すると、以下のような実情が克明に綴られています。
「子どもに『アニメ映画を映画館の大きなスクリーンで見せたい』と思っても、宮崎市か大分市のシネコンまで車を走らせなければならない。高速代、ガソリン代、飲食代を合わせると、家族4人で1回2万円近く吹き飛ぶ」(延岡市在住・30代保護者)
「学生時代、学校帰りに友達と話題作を観に行ったあの空間が今の延岡の高校生にはない。映画館のない街で育つ若者が、そのまま都会へ進学して戻ってこなくなる一因になっているのではないか」(地元出身・20代会社員)
かつて延岡シネマは、映画鑑賞後に隣接する中央通りの喫茶店や居酒屋へ立ち寄るという「まちなかの回遊導線」を生み出していました。映画館の灯が消えたことは、中心市街地商店街の歩行者通行量の減少を加速させ、地域コミュニティの求心力低下という二次被害をも引き起こしています。