最大の問題作と称される理由は、ストーリーの根幹が日本プロ野球機構の歴史やタブーとされる領域に極限まで接近している点にある。表舞台の輝かしいナイター照明の陰で、白球の行方を操る者たちの存在。観客が熱狂する名勝負が、実はすべて計算されたシナリオだったとしたら――。
劇中で描かれるのは、まさに息を呑む緊張感に満ちた八百長工作のリアルな全貌だ。一球のボール球、意図的な三振、マウンド上の微妙な表情の変化。それらがすべてサスペンスの要素として緻密に組み上げられている。過酷な勝負の世界で生きる人間たちの欲望と葛藤が、剥き出しの牙を剥く。