建築家としての関洋の視線は、空間全体にとどまらず、そこに置かれる小さな道具にまで注がれる。家具のデザインから始まったプロダクト開発は、やがて日本人の精神性に触れる領域へと広がっていった。
暮らしに溶け込むオリジナル家具
SEKI DESIGN STUDIOが制作するテーブルや椅子は、削ぎ落とされた線でありながら、触れた時に優しい。木の肌ざわりをそのまま感じられるオイル仕上げを多用し、長年使い込むことで色艶が増していく「育てる家具」を提案している。
「祈りの具」と現代の神棚
近年、特に注目を集めているのが、現代の住空間に調和する神棚や仏具、儀式用品のデザインだ。都市部のマンションなどでは、従来の大型で煌びやかな神棚や仏壇は置き場所を選ぶ。
関は伝統的な敬意を保ちつつ、無垢の木を用いて極限までコンパクトかつモダンに仕立て直した。壁に静かに佇む「かみさまとおうち」などのプロダクトは、現代人のライフスタイルに「祈り」の時間を自然に取り戻させることに成功している。