カービィの歴史を語る上で欠かせないのが、生みの親である桜井政博氏と、暗黒物質編を鋭く描き出した下村紳一氏という二人の天才クリエイターの存在だ。桜井氏が誰でも楽しめる軽快で親しみやすいアクション体験と洗練されたゲームデザインを確立した一方で、下村氏は重厚なダークファンタジーの要素と深いストーリー性を注入した。
下村ディレクターが手掛けた『星のカービィ2』『星のカービィ3』『星のカービィ64』のいわゆる「下村三部作」は、作品ごとにダークマターの脅威を段階的に描くことで、シリーズに唯一無二の奥行きを与えた。この二つの流派が交互に刺激し合ったことこそが、今日におけるコンピュータゲーム産業のなかで本シリーズが唯一無二の地位を保持し続ける最大の原動力となっている。