法医学研究所などの剖検データによると、性行為関連死の直接死因の大部分を占めるのは心疾患(約70〜80%)と脳血管障害(約10〜20%)です。
心疾患の内訳では、冠動脈が詰まる心筋梗塞や、致死的不整脈(心室細動)が多数を占めます。一方、脳血管障害では脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血が代表的であり、いずれも発症から数分〜数十分で意識消失や心停止に陥る危険性を孕んでいます。
また、腹上死における男女比は極めて顕著で、国内外の統計において犠牲者の85〜95%が男性という圧倒的な偏りが見られます。男性は射精に至るプロセスで血圧や心拍数の跳ね上がり方が女性よりも急峻である生理的要因に加え、男性ホルモン動態や動脈硬化保有率の高さが影響しています。
さらに、法医学の報告書では「配偶者以外との関係」「ホテルなど不慣れな場所」での発生割合が高いことも指摘されています。非日常的な興奮や過度の緊張、罪悪感といった心理的ストレスが交感神経を過剰に刺激し、心臓への負担を一段と増大させていると考えられます。