日本におけるカルト問題の歴史を振り返ると、時代ごとにその性質や社会への及ぼし方が変化してきたことがわかる。1990年代に無差別テロを引き起こしたオウム真理教は、社会に強いトラウマを残し、宗教法人のあり方そのものに大きな問いを突きつけた。
その後、高額な霊感商法や二世信者の被害問題で揺れた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題に至るまで、被害対策に取り組んできた弁護士の紀藤正樹らは、法制度の限界と被害救済の難しさを訴え続けてきた。宗教社会学の研究者たちも指摘するように、教団側は社会の監視が強まるたびに組織形態や集金システムを変化させており、法的な規制と実態とのイタチごっこが続いている。