2018年に公開された実写映画版(橋本光二郎監督、山﨑賢人主演)は、原作の持つ静けさと美しさを丁寧に映像化したことで話題を集めました。
原作小説と映画の主な違いは以下の点にあります。
・「音」の表現手法:小説では読者の想像力に委ねられていたピアノの音色が、映画では久石譲の音楽やピアニスト・辻井伸行の演奏によってダイレクトに聴覚へ届けられる。
・視覚的な森の演出:外村が音を聴いた瞬間に広がる「森の風景」が、美しいCGと北海道のロケーション撮影によって視覚的に表現されている。
・ストーリー展開のテンポ:映画では2時間の上映時間に収めるため、外村と双子姉妹(上白石萌音・上白石萌歌)のエピソードがよりドラマチックに焦点化されている。
小説でじっくりと内面描写を味わった後に映画を観ると、文字から立ち上がっていた「音」を実際に耳で体感できるという二重の楽しみ方が可能です。