小林幸子の巨大ドレスを語る上で欠かせないのが、その破格のスペックだ。全高8メートル、全幅10メートルを超え、総重量が数百キログラムから時にトン単位に迫る巨大構造体。制作費も数千万円から1億円以上に及ぶケースがあり、まさにひとつの建造物をステージ上に立ち上げるに等しい試みであった。
単なるド派手な装飾ではなく、そこには日本のトップクリエイターたちが集結している。照明デザイナー、メカニックエンジニア、そして伝統工芸の着物職人たちが一堂に会し、一糸乱れぬチームワークで極限の美を追求してきた。歌手本人がクレーンで上空高く吊り上げられ、大熱唱を披露する姿は、高所への恐怖心など微塵も感じさせない圧巻のプロ根性だ。こうして磨き上げられた舞台衣装は、観客の度肝を抜くエンターテインメントの金字塔となった。