前田監督が就任した当初、國學院大はシード権の獲得すら遠い目標だった。泥臭い練習と徹底した基本動作の反復。泥水をすするような下積み時代を支えたのは、「歴史を変える」という強い情熱だ。上位校の背中を追い続けるだけでは絶対に勝てない。監督自らが先頭に立ち、チーム全体に諦めない精神を注入した。
転機となったのは初優勝を飾った出雲駅伝。勢いではなく、計算し尽くされた戦略的勝利だった。選手たちに「自分たちも頂点に立てる」という強烈な成功体験を刻み込んだ瞬間である。この一勝が、チームのDNAを「チャレンジャー」から「王者」へと書き換えた。