画面の向こうの情報だけに頼らないのが、この学校の大きな特徴だ。理科の授業では、敷地内の観察池で採取した微生物を顕微鏡で覗き込みながら、スケッチとデジタル分析を並行して行う。自分の手で触れ、匂いを嗅ぎ、肌で感じた感覚を、データとして整理・可視化していくプロセスが徹底されている。
効率化ばかりが叫ばれる現代において、こうした「寄り道」のような体験の重要性が再評価されている。泥にまみれて植物を育てる時間の隣に、世界中の研究者とオンラインで対話する環境がある。この対極的な体験の往復こそが、子供たちの感性を研ぎ澄ます。五感をフルに使った実感が伴うからこそ、デジタル上で得た知識も深く血肉化していくのだ。