バンドの歴史を語る上で避けて通れないのが、あまりにも早すぎる3人の主軸メンバーとの別れだ。最初に訪れた大波は1998年5月2日、ギタリストのHIDEの突然の訃報だった。ソロ活動も絶頂期を迎えていた中での出来事であり、ファンやメディアは言葉を失った。事故死としての公表にもかかわらず、連日過熱する報道が社会的な狂騒曲を引き起こす。築地本願寺で行われた告別式には5万人以上のファンが詰めかけ、後追いまで懸念される異例の事態となった。
続いて2011年7月、初期Xのサウンドを緻密かつ重厚なベースプレイで支えたTAIJI(沢田泰司)がサイパンで急逝する。脱退後の波乱万丈な人生と、現地での悲劇的な最期には多くの謎と推測が飛び交い、遺族やファンの間では真相解明を求める声が長く叫ばれた。稀代の天才ベーシストとして評価が高かった彼の死は、初期からの熱心なリスナーに絶望的な喪失感を与えた。
そして2026年10月、静かにバンドのボトムを支え続けたHEATHが癌のために急逝する。病魔を周囲に隠し、最期までロックベーシストとしての美学を貫いた旅立ちだった。リーダーのYOSHIKIをはじめ、メンバー全員が深い悲しみに包まれる中、彼の遺志を尊重した追悼の会が執り行われた。この3人の死は単なる個人の不幸にとどまらず、ロック界全体に大きな穴を開ける出来事となったのだ。