英語圏で頻出する「What do you say?」を耳にしたとき、単語を機械的に直訳して「あなたは何を言いますか?」と捉えてしまうと、会話の文脈は一瞬で瓦解する。言語学における語用論(Pragmatics)の観点から分析すると、このフレーズが担う中核的な役割は「相手に対する誘い・提案・同意の打診」にほかならない。
ネイティブスピーカーが会話の中で「What do you say?」を用いるとき、その前段には高確率で具体的なアイデアやプランが提示されている。「Let’s grab a beer after work. What do you say?(仕事終わりに一杯どう? どうかな?)」という流れが典型だ。つまり、意味合いとしては「How about it?(それについてどう思う?)」や「Are you up for it?(乗る気はある?)」と完全に同義である。
さらに構文を拡張した「What do you say to + 名詞 / 動名詞(-ing)」というwhat do you sayの使い方も日常茶飯事に見受けられる。例えば「What do you say to taking a break?(少し休憩するのはどう?)」のように、直接的に「How about ~?」を置き換える提案のニュアンスとして機能する。相手に選択の自由を与えつつ、フランクに背中を押す大人の気配りが宿った表現なのだ。