発端は10年以上前に遡る。文部科学省が各国立大学に発出した「国立大学人文社会科学系学部組織見直し通知」だ。これがメディアによって「文系学部廃止の要請」とショッキングに報じられたことで、社会に大きな混迷が広がった。当時は文系学部の縮小や改編を促す動きと捉えられ、学術界からは激しい批判が相次いだ。特に日本学術会議が即座に異議を唱え、学問の多様性と長期的視野の重要性を強く訴えたことは記憶に新しい。
それから年月を経て、高等教育業界における改革の姿はより現実的な解を見出しつつある。現在の大学再編は、単なる文系の淘汰ではない。文理の壁を取り払い、デジタル技術と人間的知性を融合させる「学際的アプローチ」への転換が進んでいる。旧来の知識暗記型教育から脱却し、社会課題解決型の教育プログラムへと舵を切る大学が相次いでいるのが実情だ。