尾崎豊が残した遺書は、カバンの中のルーズリーフだけではありませんでした。自宅マンションの部屋、前年に急逝した最愛の母・絹枝さんの遺影の脇にもう1通のメモが残されていたのです。
その紙片には、自らの血とみられる赤黒い染みとともに、殴り書きのような筆跡で短い言葉が刻まれていました。
【母の遺影の横に残されたメモ全文】
「さようなら 私は夢見ます」
この極めて短い「さようなら」という結びは、精神的な支柱であった母を亡くした尾崎豊の深い喪失感を物語っています。母の死以降、彼の精神的バランスは急速に崩壊していったとされており、現実の過酷な苦痛から逃れ、母のいる精神世界へと旅立とうとする強い希死念慮が表れたメッセージと解釈されています。