宇野内閣を激震させた「神楽坂の芸妓」による週刊誌報道は、日本の報道・メディア業界における決定的なターニングポイントとなった。それまで政治家の私生活に対して一定の暗黙の了解を保っていた既存メディアのタブーが、一気に打ち破られた瞬間である。
海外の英字紙が報じたことで国内報道が一気に過熱し、プライベートな領域が政治的命運を左右する新たな時代が到来した。この事件以降、政治家の資質を問う取材手法やコンプライアンスの基準は劇的に変化した。現代の過激なネット報道のルーツも、まさにこの時期の熱狂と混迷の中に見て取ることができる。