原作者の尾田栄一郎は、王道の『少年漫画』という枠組みの中に、高度なSF的モチーフと歴史の暗部を見事に融合させている。一見すると夢にあふれた大冒険譚の中に、「進歩しすぎた科学がもたらす悲劇」という重厚なテーマを忍び込ませてきた。
『漫画』としての圧倒的な娯楽性を保ちながらも、国家の隠蔽工作や科学者の倫理的葛藤を緻密に描く手腕は見事というほかない。科学力は人を救う希望となるのか、あるいは世界を滅ぼす破滅の引き金となるのか。この二律背反のテーマこそが、本作を単なるバトルストーリー以上の超大作へと押し上げている。