文化庁が実施する国語に関する世論調査や、国立国語研究所による言葉のデータ分析においても、伝統的な和語の誤用や解釈の変化がたびたび議論の的となる。「望外」についても、「望んでいない余計なこと」「ありがた迷惑な災難」といったネガティブな意味で捉えてしまう誤用が一部で見受けられる。
こうした勘違いが起こる背景には、「外」という漢字が持つ「外れる」「除外」といったマイナスイメージへの引力がある。しかし、「望外」における「外」は「想定外」や「規格外」と同じく、枠組みを心地よく飛び越えていくポジティブな驚きを意味する。
仮にビジネスメールで「望外なご指導をいただき…」などと不適切な文脈で使うと、「頼んでもいない余計な指導だ」と受け取られかねない。職場のコミュニケーションで思わぬ摩擦を生ませないためにも、正しいニュアンスを腹に落とし込んでおくことが不可欠だ。