日本全国のみならず海外にも多数の店舗を展開する丸亀製麺だが、その創業の地は香川県ではない。同ブランドの1号店(加古川店)が誕生したのは2000年11月、兵庫県加古川市のロードサイドだった。
運営母体であるトリドールホールディングスは、もともとうどん店ではなく、1985年に加古川市で開業した大衆酒場「トリドール三番館」という小さな焼き鳥店からスタートした企業だ。創業者の粟田貴也氏は、焼き鳥店をチェーン展開する中で事業の多角化を模索し、日本人の主食である「麺類」、とりわけ日常食として愛されるうどん業態への参入を決意した。
当時、外食チェーンの多くはセントラルキッチンで一括調理した食材を店舗へ配送し、コストを抑える効率重視の手法を採用していた。しかし丸亀製麺は、あえて全店舗に製麺機を導入し、「すべての店で粉からうどんを打つ」という逆張りの製法を選択した。この加古川の1号店で確立されたオープンキッチンと実演販売のスタイルが、瞬く間に消費者の心を掴み、全国的なメガチェーンへと飛躍する原動力となった。