広島の中心地、紙屋町・基町エリア。この一等地の地下に、エールエールフードコートは息づいている。地上では、そごう広島店やパセーラといった商業施設が買い物客で賑わう。しかし地下へ降りると、空気が変わる。
蛍光灯の光。タイル張りの床。少しくたびれた案内板。これらすべてが、1990年代の記憶を呼び覚ます。バブル崩壊直後、日本経済が転換期を迎えた1994年。この年にエールエールフードコートは産声を上げた。当時、全国でショッピングモールブームが起きていた。広島も例外ではない。
基町クレドは、都市再開発の象徴だった。かつて広島市の中心部は、原爆による壊滅から復興を遂げたものの、老朽化した建物が目立っていた。再開発により、近代的なビルが次々と建設された。その一角に誕生したのが、このフードコートである。
名前に込められた意味
「エールエール」という名前は、フランス語の「aile(翼)」に由来する。二つの翼が並ぶことで、飛躍と発展を象徴している。開業当時の関係者は、この場所が広島市民の日常を支える「翼」になることを願った。30年が経過した今、その願いは実現したと言えるだろう。