それまでの邦画界における常識を木っ端微塵に打ち砕いたのが、劇場版『踊る大捜査線 THE MOVIE』の登場だった。主演の織田裕二が見せた等身大の警察官像は、従来の重苦しい刑事ドラマ像を刷新。現場の悲哀と組織の不条理を疾走感あふれるテンポで描き出し、観客を熱狂させた。
制作を手掛けたフジテレビと配給元である東宝のタッグは、テレビの熱量をそのまま劇場へ持ち込むという画期的な手法を確立。興行収入100億円を超える歴史的大ヒットとなり、低迷が叫ばれていた日本映画界に巨大な地殻変動を引き起こした。スクリーンの向こう側で繰り広げられる事件に、日本中が文字通り固唾をのんで見守っていたのだ。