日本の高等教育機関において、雇用形態の柔軟化を目的とした改定が相次いでいる。文部科学省が主導する大学人事改革の枠組みのもと、各大学は外部資金の獲得や国際競歩力の強化に向けた組織再編を急ピッチで進めてきた。その切り札として多用されているのが、特任有期雇用教員という枠組みだ。
東京大学をはじめとする主要国立大学の幹部は、匿名を条件に次のように明かす。「従来の専任人事では、急激な学術トレンドの変化や予算の増減に柔軟に対応できない。外部からの大型プロジェクト資金を活用して高度な人材を即戦力として招聘するために、この制度は不可欠となっている」。
さらに、日本学術振興会(JSPS)などが配分する研究競争資金の運用基準が見直されたことで、研究代表者が自らの助成金から人件費を捻出し、専従の研究教授を雇い入れる動きも定着した。大学経営の安定と研究推進のスピード感を両立させるための防波堤として、この雇用形態が重宝されているのが実情である。