阿部恭子氏の活動は、現場での実務だけでなく、精力的な執筆活動を通じても世の中に大きな衝撃を与えてきました。なかでも代表作として知られるのが、ベストセラーとなった『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(講談社)です。
本書では、平穏な日常から突如として「殺人犯の親」となった家族たちの生々しい葛藤、夜逃げ同然の逃亡生活、激しい世間の糾弾に晒される実情が克明に描かれています。読者に対して「もし自分の子どもや身内が加害者になったらどうするか」という逃れられない問いを突きつけ、大佛次郎論壇賞の候補に挙がるなど論壇でも極めて高い評価を受けました。
その他にも、『家族という病理』『加害者家族の現実』『性犯罪加害者の親たち』など多数の著書を上梓。加害を生み出す家庭環境の病理や、SNS時代のネットリンチがもたらす弊害を浮き彫りにし、現代社会の歪みを鋭く告発し続けています。