洗濯物の乾燥において、なぜ「時間」がこれほどまでに強調されるのか。その答えは、衣類に潜む常在菌「モラクセラ菌」の生理生態にある。モラクセラ菌自体は無害な微生物だが、水分と皮脂汚れを栄養源として代謝を行う際、あの独特の雑菌臭物質「4-メチル-3-ヘキセン酸」を排出する。
科学的な研究データによれば、湿潤状態が5時間を超えた段階から菌の増殖速度は二次関数的に急上昇する。一度この物質が繊維の奥深くに蓄積されると、通常の洗濯や日干しだけでは容易に除去できなくなる。つまり、乾かす作業は時間との戦いであり、5時間以内というデッドラインを守り切ることが何よりも優先される。